IT記者会講演再録

IT記者会Reportに掲載したインタビューと講演再録です

発足した「RPA+働き方改革コンソーシアム」は何をねらうのか 幹事長に選任された鶴保征城氏「部分最適ではまた痛い目に」

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6月5日午後4時40分から、東京・永田町で「RPA+働き方改革コンソーシアム」の発足説明会が行われた。同コンソーシアムについては⬇️を参照されたい。

www.itkisyakai.com

冒頭に行われた幹事長・鶴保征城氏の挨拶を再録する。

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幹事長に専任された鶴保征城氏

鶴保 皆さん、こんにちわ。鶴保です。え〜、このたび「RPA+働き方コンソーシアム」の……、先ほどの紹介のように「幹事長」、どういうわけか「会長」でも「理事長」でもなくて「幹事長」をやらせてもらうことになりました。

 個人的には、ここ数年、組み込みに興味がありまして、そちらの関係の仕事をしておりますけれど、その前は、ご存知の方もおられると思いますが、IPA(情報処理推進機構)のSEC、ソフトウェア・エンジニアリング・センターというところにおりまして、そのときは事務処理系、エンタープライズ系のソフトウェアの仕事をしていました。で、今度の「RPA」というのは、ちょっとバズワード的な匂いがするんですが、もう一つの「働き方改革」というのは時代のキーワードでして、コンピュータでできることはどんどん自動化してしまえ、と。

 ただ、ツールはあくまでもツールでして、どんなツールでも使い方を間違うとあまり効果が出ない。このRPAも同じでして、あまり部分的に、日本人特有の「現場で頑張れ」という掛け声のもとにRPAを導入すると、現場の創意工夫でガンガンやっていくと、全社的な効果という意味ではそんなに大きな効果が出ないかもしれません。全体最適の視点でRPAに取り組んでいくことが必要なんだろうと思います。

 で、たまたまなんですけれど、BPM(Business Process Management)に関するコンソーシアムですとか研究会、勉強会が日本に20ほど、そのうち日本BPM協会という、もう十数年活動しているんですが、こちらのほうはバズワードしかかっていたBPMに取り組みまして、そうこうしているうちにコンピュータ・パワーが飛躍的に高まって、メモリーも増えたということで、自動化と結びつくようになっています。このRPAも、プロセス全体の中で位置付けて、要するに「ソリューション」にしていく必要があると思います。

 もう一つは、Excelに代表されるパーソナルなオフィス・ツール、これで作ったデータや資料がパーソナライズされてしまって、誰が作って、どこに保管されているのかわからない。会社全体のデータとして利活用できない。その人が異動すると、せっかくのデータが役に立たなくなってしまうということが起こります。RPAでも同じことが起こる可能性があるわけです。それは避けなければならない。つまり全社的な最適化とガバナンスの中でRPAを使いこなす。

 われわれは過去に、そういう痛い目を何回も経験しているので、そういうことにならないようにユーザー目線で情報、ノウハウを共有していく必要があるんだろう、と思っています。という意味で、皆さん、よろしくお願いします。以上です。

 【参考】

www.bpm-j.org