IT記者会講演再録

IT記者会Reportに掲載したインタビューと講演再録です

清水吉男氏が遺した「ペアXDDP」の本意 ~派生開発カンファレンス2018から~(2)

ベテラン技術者の尊厳を取り戻す 古畑 梶本さん、ありがとうございました。 どの企業もソフト開発の仕事をオフショアに出してしまって… …という思いが、清水さんには強かったんだと思います。それで、ちょっと最初の方にもどっていただいて……。 先ほどの資料…

清水吉男氏が遺した「ペアXDDP」の本意 ~派生開発カンファレンス2018から~(1)

記事として公開しないと決めた理由(わけ) 爽やかな青空が広がった5月18日(金)、横浜開港記念会館(横浜市中区本町)で開かれた派生開発カンファレンス2018。最後を締めたのは基調対談「清水代表を偲ぶ~ペアXDDPに込めた清水代表の思いに迫る~」だった…

インフラ系へのサイバーアタック 「もしも」に備える人材育成の現場に行ってきた

サイバーアタックが何かと話題だ。社会インフラや産業基盤にかかわるシステムが誤動作や暴走を起こしたら、被害は甚大なものになる。リスクを認識し、必要な対策を講じることが重要なのだが、しかし的確な判断と指示を示せる能力の備えた高度セキュリティ人…

マイクロソフトがワークスタイルを変えた理由(わけ) 勘違いしないでください、儲けるためです

日本マイクロソフトが「テレワーク勤務制度」を実施したのは今年(2016)5月1日。勤務場所は「業務遂行可能な適正な場所」とし、在宅勤務制度とフレックス制度のコアタイムも廃止した。これって、今年2月に急逝した片貝孝夫氏(片貝システム研究所)が提唱し…

「J-SaaS全国キャラバン」パネル ITに使われない方法~要点は顧客と社員の満足度~

「J-SaaS全国キャラバン」で筆者が司会進行を担当したのは高松、大阪、札幌、名古屋、金沢、福岡の計6回。パネルディスカッションはともセミナーの最後(15:45~17:30)に設定されているため、「皆さん、残っていてくれるだろうか」「ちゃんと聴いてくれ…

派生開発推進協議会代表・清水吉男氏 XDDPから「IoT」に挑むー困難な状況をチャンスに変えるー(派生開発カンファレンス2016)

5月27日、横浜市の横浜開港記念会館で開催された「派生開発カンファレンス2016」(派生開発推進協議会主催)で、第7回目にして同協議会代表の清水吉男氏が初めて演壇に立ち、「XDDPから「IoT」に挑む」と題した基調講演を行った。派生開発/XDDPといえば既…

及川秀悟氏(ぴこねっと社長)受託でクラウド型システム【1】

昨年からIT業界は「クラウド」一色。受託型ITサービス会社の多くが戸惑いを隠せない中、「当社(うち)は10年も前からクラウド型のシステム開発に照準を当ててきた」という会社がある。(株)ぴこねっと(東京都港区愛宕)がそれだ。同社ばかりでなく、…

及川秀悟氏 受託でクラウド型システム(2)

インターネットがきっかけ――いまのお話だと、パソコン用の経理ソフト会社ですよね。オフコンがパソコンに変わっただけで、システム販売というビジネスモデルは変わっていない。それが転換したのはいつごろですか? 及川 きっかけになったのは、やっぱりイン…

及川秀悟氏 受託でクラウド型システム(3)

ビジネスチャンスは24時間・365日 及川 化粧品の通販会社はね、受注すると管理系システムが更新されて、それが宅配便会社や倉庫会社にダイレクトに配送指示を出すシステムになってます。――全自動。及川 その会社は、注文が増えると伝票を書く要員を増やさな…

ASP/SaaSの利用は大手から中堅・中小に ASPIC会長・河合輝欣氏、大いに語る

ASP・SaaSは饅頭の餡子 河合 SAP・SaaS白書は今回が3回目となるわけですが、ASPとSaaSの違いは何か、という議論にはすでに決着が着いている。SAPICの専門委員会で3年前、喧々諤々の議論をしまして、答は「見え方が違うだけで、本質は同じだ」というこ…

宇陀栄次氏 (株)セールスフォース・ドットコム 代表取締役兼米本社上席副社長(1)

郵政公社へのサービス提供が大きな話題となったのは2年前(2007年)の春。以後もセールスフォースは着々と市場を広げ、国内の契約者数は1,000社、ユーザー数は目標の20万を超えたと推定されている。なおかつ、政府の緊急経済対策を“追い風”に、官公庁からの…

谷上俊二氏/(株)TDCソフトウェアエンジニアリング代表取締役【上】

TDCソフトウェアエンジニアリングは、故・野﨑克己氏が1963年の12月、東京・神谷町に創業したソフト業界の“老舗”。今年6月、社長に就任した谷上氏は同社新卒採用一期生の純プロパーだ。就任後初の記者懇談会で「中堅ユーザーの“かかりつけ医”」戦略を打ち出…

宇陀栄次氏(2)

時間も戦略的な経営資源 私が申し上げたいのは、投入予算の大小だけではありません。いかに早く、的確にシステムを動かすか。これが現在のIT利活用に求められているということです。大きな予算を投入して長い時間をかけてシステムを作っているうちに、市場…

谷上俊二氏/(株)TDCソフトウェアエンジニアリング代表取締役【下】

“かかりつけ医”になろう 谷上 あまりそういう区分け方はしてません。「中堅・中小」と十把一絡げにするんじゃなくて、その会社の勢いというか、ビジョンというかを見ていきたい。 ――コンピュータ・メーカーやNTT系、“3,000億円クラブ”の業界大手がいる。そう…

宇陀栄次氏(3)

立ち位置とレイヤが違う クラウドコンピューティングっていうのは、先ほども申し上げましたが、スケールのメリットを利用してITのROIを最大化することなんですね。スケールという点でマイクロソフト、IBM、アマゾン、グーグルといった企業が名乗りをあげて…

中島秀之氏(はこだて未来大学学長)ソフトウェア・シンポジウム2009in札幌【上】

ソフトウェア・シンポジウム2009in札幌(SS2009)の初日、札幌は曇りで最高気温は18℃と現地の5月下旬並み。会場となった「かでる2・7」(道民活動センター)は北海道庁の裏手にあり、目の前が北大植物園だ。ニセアカシアの綿毛が浮遊する爽やかな風と初夏…

中島秀之氏【中】

Web2.0とネットワークの向こう側 ところでWeb2.0の話ですが、梅田さんは〈ネットワークの向こう側〉に着目した。それはそれで優れた着眼だと思うんですが、もう一回こちら側に戻ってくることが必要ではないか。それを3.0と呼ぶかどうかは別として、インタ…

中島秀之氏【下】

交通混雑の解消 カーナビゲーションシステム、略して「カーナビ」というのがあります。行き先を指定すると、混雑した道路を避けて最適なルーティングをしてくれる。知らないところに行くときなんか、たいへん便利なんですけど、目的地が遠い場合、最適なルー…

大和田昭邦氏(ダイナックス高松代表取締役)【上】 

地方都市で元請として踏ん張る 自社より高技術の会社に外注 ――大和田さんとお会いするのは、実は今日が初めてなんですけど、私が取り組んだ過疎地の町起こしプロジェクトに、激励のメールを送っていただいたたことがある。その後、Swimy(メールベースの会員…

大和田昭邦氏【下】

パソコンでCOBOL ――現在はどういう仕事が中心なんですか? 大和田 今は四国電力が最大のお得意さん。電力の制御系システムを一括で受託している。それとか自動車メーカーに直契約で人を出している。というのは昔ね、私は東芝にいて制御系のハードウェアを開…

国分芳宏氏(言語工学研究所代表取締役)いま再びの日本語(1)

仕様書用ワープロを作りませんか 情報システムの要求仕様書用のワープロができないか、という筆者の問いかけに、「当社の構文解析技術を応用すれば、そんなに難しくないんじゃないか」という人が現れた。言語工学研究所の代表取締役・国分芳宏氏だ。1970年代…

国分芳宏氏(2)

仕様書用ワープロを作りませんか 文の意図を解析する 国分 でも文章のプロでしょ? だから分かっていただけると思うけれど、一般の文法は主語と述語で整理する。文を名詞、形容詞、動詞、副詞、接続詞に分解して、その関係性を理解する。ところが我われの日…

国分芳宏氏(3)

この記事は2009年3月現在のものです 仕様書用ワープロを作りませんか 「など」の排除は当たり前 ――ここまでのお話を整理しますと、文の曖昧性を生み出す原因は係り受け、並列構造、表記の揺れ、代名詞の4つ。「など」「および」はあまり問題じゃない、とい…